デネブデンタルブログ

ダイレクトボンディングの限界

2019年10月27日 (日)

小さい虫歯の場合、虫歯の部分を削った後に樹脂をつめて光を照射して硬める治療『ダイレクトボンディング』という治療法があります。

 

一度型を取ってから技工所で詰め物を作って装着するといった治療法を間接法と言うのに対し、ダイレクトボンディングはお口の中だけで治療が完結するので直接法と呼ばれています。

 

ダイレクトボンディングのメリットは、
・削った後にすぐに埋めるので、再感染のリスクを減らす
すぐに治療が完了する
・技工所を通さず、金属代もかからないので(比較的)低価格でできる

など、多くあります。

 

しかし、、、すべての治療においてそうですが、
ダイレクトボンディングも万能ではなく、限界があるのです。

 

(ダイレクトボンディング限界その1)
光を照射して硬化させる際に樹脂が収縮する点
→樹脂の量が多いとその分収縮量が多くなり、歯にヒビが入る(感染リスクと痛みの原因)
→「樹脂の量が多い=むし歯の削る量が多い」ということですから、大きなむし歯にはダイレクトボンディングは適さないということ。

 

(ダイレクトボンディング限界その2)
歯と歯の間など、光の照射が届かない場所がある点
→硬化が不十分になるので、ダイレクトボンディングには適さない。

 

優れた治療法ではあるものの、小さい虫歯だったり適用場所が限られていたりするわけです。

 

その限界を解消したのが、セレックシステムなのです。
セレックシステムを開発したのがスイス・チューリヒ大学のメールマン教授ですが、なんと彼はダイレクトボンディングを専門にしていたのです。

 

つまり、専門にしているダイレクトボンディングの弱点を何とか克服するために、日々研究を重ねて出来たものがセレックシステムなのです。

 

ダイレクトボンディングと同じように直接法で技工所を介さずに治療が完結するメリットを残しつつ、セラミックブロックと接着剤を用いることで収縮する際のリスクを最小限に抑え、また光の届きにくい隣接面であっても、連続して高速撮影する(映像に近い技術の)スキャナーで読み取るため、適用場所が限られないで済む。

 

彼がこのセレックシステムを完成させた時の喜びは、どれほどのものだったのでしょうね。

 

デネブデンタルクリニックでは、ごく小さい虫歯の場合はダイレクトボンディングを、それよりも大きなむし歯や光照射が届かない場合はセレックを推奨しています。

 

メールマン教授の『むし歯を再発させない』という熱い想いは、デネブデンタルクリニックにもしっかりと継承されているのです。


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